配当金の大きい、毎月分配型の投資信託が人気なのだそうです。
そして、投資家の傾向に合わせて、投資信託も収益分配方針を変更しているのだとか。
■分配型投信の収益分配方針変更相次ぐ、個人の高分配志向が背景
個人投資家の高分配への強い傾倒を背景に、運用会社の中には分配型投資信託の収益分配方針を変更するところが出てきた。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-16482720100728
日本の個人投資家って、頭悪いのかと思ってしまいました。
「頭悪い」はさすがに言いすぎかな。
でも、「不勉強すぎる」とか「無知すぎる」という程度なら、あながち間違いではない気がします。
毎月分配型は自分のお金が戻ってきているだけ
投資信託の配当金というのは、投資信託から投資家に払われるお金です。
毎月分配型といった場合は、毎月投資信託から投資家に分配金が支払われます。
「毎月お金が入ってくる」という部分だけを聞くと、すごい得な仕組みに思えるかもしれません。
でも実際には、そうではないのです。
問題は配当金の原資です。
分配金というお金は、どこからお金が出ているのかということですね。
当然ですが、投資信託の配当金の原資は、信託財産です。
信託財産というのは、私達が投資信託に預けているお金だと考えれば良いでしょう。
実際にはお金ではなくて、株式や債券に形を変えていることが多いですけど。
信託財産から分配金が支払われているということは、私達が預けているお金から分配金が支払われているといってもいいですよね。
ということは、配当金というのは私達が預けているお金が戻ってきているに過ぎないです。
実はそれだけではありません。
その分配金には、税金がかかることも多いのです。
この仕組みをありがたがる日本の個人投資家って、馬鹿じゃないかと思うわけです。
実際、記事の中でも外資系の運用会社の役員の言葉が紹介されています。
「どうして日本では毎月分配が人気なのかわからない。運用上、非効率ではないか」
少なくとも、仕組みを知っていれば、分配金が多い方がいいとか、毎月分配がいいとか、思わなくなるはずですよね。
実際、分配金を重視する個人投資家は、分配金の仕組み自体を十分に理解していない人も多いのではないかと思えます。
銀行で売るようになってからおかしくなっているのかも
毎月分配型が人気の理由を国際投信の社長は次のように語っています。
「本来なら高いトータルリターンであり、投資家自身がお金を必要とする然るべき時まで運用する個人向け商品が投信だった。しかしながら株式売買同様、投資家が売り時に迷うのは常で、自らが解約できないからこそ分配金が自動的に毎月払い出される毎月分配型が、毎月の実入りと合わせて個人のニーズに合致し、ここまで拡大したのだろう」
でも、この分析は疑わしいのではないかと思っています。
というか、自らがファンドを運用する立場の人ですから、立場をわきまえて発言と考えられます。
一面の真実では有りますが、これだけで毎月分配が受ける理由が十分に説明できているとは思えないのです。
個人的には、毎月分配型がヒットしたポイントは、セールストークのしやすさに有るのではないかと思います。
銀行や証券会社の店頭に行くと、投資信託のパンフレットが並んでいます。
証券会社の店頭では毎月分配型のパンフレットはそれほど多くないようです。
一方、銀行では毎月分配型の商品がかなり多いように感じます。
銀行に来る顧客と証券会社に来る顧客を比べた場合、銀行に来る顧客の方が投資経験が浅いのは明らかでしょう。
ということは、投資経験の浅い人を狙って、銀行では毎月分配型投信のパンフレットを用意しているのではないでしょうか?
つまり、知識が無い人に対しては、毎月分配型というのは販売しやすいということなのだと思います。
分配金が多いとか、毎月分配金が多いというのは、投資信託を選ぶ基準としては最低だといって良いでしょう。
こんな商品を買わないためにも、最低限の投資に関する知識は身につけておくべきではないでしょうか。
